コロンブスの卵の逸話は有名だと思う。
小山 昇氏:こころ豊かで安全な経営とは何か / SAFETY JAPAN [小山 昇氏] / 日経BP社
この人のコラムをコメントも含めて読んでいると、まさにコロンブスの卵の現代版のように感じる。
いくつかのコラムは、ある特定のパターンがある。
ひょっとすると小山氏の発想のパターンなのかもしれない。
その発想というのは、大胆に言ってしまうと次のようなことだ。
人は弱い生き物である。だから、その弱い部分を補完するような仕組みを作ればよい。
例えば、
上司が見ていないところではサボりたくなる、という人がいる。
サボりたくなるのは人の弱さである。
だから「サボれなくなる仕組み」を作る。
人間がそういうものである以上、大切なのは、そもそも不正をさせない仕組みをつくる。それでも不正が発生する。その場合は、早期に発見できる体制を整えておくことです。我が社には、定期的な人事異動がある。人事異動は、一義的には「社内をリフレッシュし、活性化させる」「業務を体験させることで、仕事のダブルキャスト化を図る」といった目的で実施しているが、結果として不正をさせない仕組みにもなっている。
「社員の不正」を止める社長の責任 / SAFETY JAPAN [小山 昇氏] / 日経BP社
久しぶりにコラムを読んで、こういう「仕組み」の話が多いなぁ、と思って、まとめエントリーを書こうとしたら、それもそのはず。
コラムの最初の方に、まとめに近いものが書いてありました。
人間は、言ってもやらない/従わないものなのです。だから、社員に実行させたいと思ったら、嫌でもせざるを得ない状況をつくることです。それが「仕組み」です。
「言っても聞かない人」の操縦法 / SAFETY JAPAN [小山 昇氏] / 日経BP社
そういう「仕組み」を作るのはとても難しい。
しかし、その「仕組み」を作る発想法は、知ってしまえばなるほどな、と思える発想法だ。
人間は、面倒なことはしたがらない動物です。だから、こと中小企業の社長は社員の自主性に期待してはいけない。「自発的」とは、「必ずせざるを得ない」仕組みがあり、そして社員は嫌々ながらもやるということに他ならないのです。
「飲みニケーション手当」を支給、さぼる上司には… / SAFETY JAPAN [小山 昇氏] / 日経BP社
それをいろいろな形に応用するのも発想次第なのです。
社長からパートタイマーまで「それなり」の人材しかいない中小企業では、社員の自主性を期待してはいけません。中小企業にとっての「自発的」とは「いやでもやらざるを得ない」仕組みがあり、それで成果が上がることです。
「面談してください」と社員に言わせる仕組み / SAFETY JAPAN [小山 昇氏] / 日経BP社
発想法自体は単純ですが、その発想法を活かせるかどうかは、仕組み作りの難しさを理解できるかどうか、にかかっている気がする。