エンジニアに転向した日々を振り返る

2011年5月に不動産会社を辞めてIT系フリーランスになった経緯と、コミュニティ活動を通じた学びの振り返りです

@nqounetです。

人生の転機というのは、後から振り返ってみて初めてその重要性に気づくものです。私にとって、2011年5月に不動産会社を退職してIT系フリーランスになったことは、まさにそのような転機でした。

仕組みへの好奇心

小さな頃から「仕組み」への好奇心が旺盛で、おもちゃを分解して元に戻したり、戻せなかったりして遊んでいました。「仕組み」を知り理解を深めることで、応用も可能になり、また、新しい仕組みを生み出すこともできると考えていました。

この好奇心は、やがて実務にも活かされるようになります。建築関係の業務で表計算ソフトで計算書を作成していましたが、清書するのが面倒だったため、個人でデータベースソフトで作成できるようにしたことがありました。とても便利になり効率化が図られるようになったと自負していましたが、残念ながら使い方が難しいという理由で、個人で利用するしかありませんでした。

この経験から、機能的なものを作っても扱いが難しいものは使われない、ということを身をもって学びました。これは後のソフトウェア開発における重要な教訓となっています。

不動産会社からの転身

2011年5月、それまで勤めていた不動産会社を辞めました。当時の決断は、今思えば大きな賭けでした。安定した給与と職場環境を手放して、未知の世界に飛び込むわけですから、不安がなかったと言えば嘘になります。

しかし、プログラミングという分野に魅了されていた私は、この道を進むことを選びました。複雑な仕組みでも簡単に使える、ということを念頭に置きながら、ソフトウェア開発の世界に挑戦しようと決意したのです。当時はまだ、自分がどこまでやれるのか、本当に食べていけるのか、確信は持てませんでしたが、とにかく挑戦してみようと思ったのです。

安定するまでの4年間

フリーランスとして活動を始めてから、仕事が安定するまでには約4年の歳月がかかりました。この期間は、正直なところ、決して楽ではありませんでした。

最初の頃は案件を見つけるのも大変でしたし、技術的なスキルも十分とは言えませんでした。一つ一つの仕事をこなしながら、必死に勉強し、経験を積み重ねていきました。

  • 新しい技術を学ぶための時間を確保すること
  • クライアントとの信頼関係を築くこと
  • 自分の強みを見つけて伸ばすこと
  • 継続的に案件を獲得するためのネットワークを作ること

これらすべてを同時進行で進めていく必要がありました。今振り返ると、この4年間は自分を成長させるための貴重な修行期間だったと思います。

コミュニティ活動での学び

フリーランスとして活動する中で、技術コミュニティとの関わりも大きな意味を持つようになりました。2012年12月から2018年9月まで、PerlのユーザーグループであるKansai.pmの代表として活動しました。

その間、2017年にはPerlのカンファレンス「YAPC:Kansai 2017 OSAKA」を開催することができました。また、代表としての活動とは別に「Perl入学式」のサポートやミニ勉強会を主催するなど、プログラミング言語初学者の裾野を広げる活動にも力を入れました。

これらの活動を通じて、技術を伝えること、コミュニティを育てることの大切さを学びました。自分が学んできたことを次の世代に伝えていくことは、エンジニアとしての重要な役割の一つだと感じています。

技術と設計への深化

フリーランスとして経験を積む中で、技術的な興味も深まっていきました。最近では、ドメイン駆動設計とクリーンアーキテクチャによる関心の分離の仕組みに感銘を受けました。

これらの設計手法は、複雑なシステムを整理し、保守しやすくするための強力な道具です。幼い頃から「仕組み」に興味を持っていた自分にとって、ソフトウェアの構造を理解し、より良い設計を追求することは、自然な流れだったのかもしれません。

信頼できる取引先との出会い

現在もフリーランスとして活動を続けていますが、運良く信頼していただける取引先に恵まれました。これは本当に幸運なことだと感じています。

フリーランスとして長く続けられているのは、自分のスキルや努力だけではありません。信頼関係を築いてくださったクライアントの皆様、そして支えてくれた周囲の方々のおかげです。

技術の世界は日々進化していますが、人と人との信頼関係という基本的な部分は変わりません。これからも、その信頼に応えられるよう、技術を磨き続けていきたいと思います。

これから転向を考える方へ

もし今、エンジニアへの転向を考えている方がいるなら、一つだけお伝えしたいことがあります。それは、「時間はかかるけれど、継続すれば道は開ける」ということです。

私の場合は安定するまでに4年かかりましたが、その間も少しずつ前進していたことは確かです。焦らず、諦めず、一歩ずつ進んでいくことが大切だと思います。


脚注

本記事はバイブブロギングで作成しています。

この記事は、個人的な経験を振り返ったものです。フリーランスとしての働き方や収入の安定性は、個人の状況や時代背景によって大きく異なります。

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