Observer × Decorator × Command 組み合わせ調査ドキュメント
調査概要
- 調査目的: 「Perlで学ぶ手で覚えるデザインパターン」シリーズ記事作成のための基礎資料
- 調査実施日: 2026年1月30日
- 技術スタック: Perl v5.36以降(signatures/postfix dereference対応)、Mooによるオブジェクト指向プログラミング
- 対象パターン: Observer × Decorator × Command
1. 各パターンの概要
1.1 Observer パターン
- 分類: 振る舞いパターン(Behavioral)
- 目的: オブジェクト間に一対多の依存関係を定義し、状態変化を自動通知
- 役割:
- Subject(被観察者): 状態を持ち、変化時にObserverに通知
- Observer(観察者): 通知を受けて処理を実行
- 適用場面: イベント駆動システム、通知システム、MVC
1.2 Decorator パターン
- 分類: 構造パターン(Structural)
- 目的: オブジェクトに動的に責任を追加する。サブクラス化より柔軟
- 役割:
- Component: 共通インターフェース
- ConcreteComponent: 基本オブジェクト
- Decorator: 追加機能を付加するラッパー
- 適用場面: ストリーム処理、フィルタリング、ログ出力の拡張
1.3 Command パターン
- 分類: 振る舞いパターン(Behavioral)
- 目的: リクエストをオブジェクトとしてカプセル化し、操作のパラメータ化・履歴管理・Undoを可能に
- 役割:
- Command: 実行インターフェース
- ConcreteCommand: 具体的な操作
- Invoker: コマンドを実行する
- Receiver: 実際の処理を行う
- 適用場面: Undo/Redo、マクロ記録、タスクキュー
2. パターン組み合わせの分析
2.1 3パターンの協調関係
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2.2 組み合わせのメリット
| 組み合わせ | メリット |
|---|---|
| Observer + Command | イベント発生→コマンド実行の自動化 |
| Decorator + Command | コマンドに追加機能(ログ、認証、リトライ)を動的追加 |
| Observer + Decorator | 通知内容の加工・フィルタリング |
| 3パターン統合 | イベント検知→加工→操作記録の完全なパイプライン |
2.3 実務での適用例
- メッセージングシステム: 受信(Observer)→ 暗号化/フィルタ(Decorator)→ 保存/転送(Command)
- ログ監視ツール: ファイル変更検知(Observer)→ パース/分類(Decorator)→ アラート発行(Command)
- スマートホーム: センサー検知(Observer)→ 条件処理(Decorator)→ 家電操作(Command)
- CI/CDパイプライン: コード変更検知(Observer)→ 検証/変換(Decorator)→ デプロイ実行(Command)
3. 既存シリーズとの差別化
3.1 使用済みの題材(避けるべき)
| シリーズ | 題材 | パターン |
|---|---|---|
| ローグライク通知システム | ゲーム通知 | Observer |
| ハニーポット侵入レーダー | セキュリティ監視 | Observer |
| ログ解析パイプライン | ログ処理 | Decorator |
| テキスト処理パイプライン | テキスト変換 | CoR + Decorator |
| 簡易テキストエディタ | テキスト編集 | Command |
| RPG戦闘エンジン | ゲーム戦闘 | State+Command+Strategy+Observer |
| Slackボット指令センター | ChatOps | Mediator+Command+Observer |
| Pixelアートエディタ | 画像編集 | Memento+Command |
3.2 新規テーマの要件
- Observer × Decorator × Command の「3パターン組み合わせ」は未使用
- ゲーム、ログ処理、テキストエディタは避ける
- 「ちょっと生意気」「ハッキング的」な要素が欲しい
- 友人に自慢できる成果物
4. テーマ候補の検討
4.1 候補A: 秘密通信ツール(暗号メッセンジャー)
コンセプト: スパイ映画のような暗号通信ツールを作成
- Observer: 新着メッセージの検知・通知
- Decorator: メッセージの暗号化/復号化/署名/タイムスタンプ
- Command: メッセージ送信/受信/削除/履歴管理
USP:
- 「暗号通信ツールを作った」と自慢できる
- 基本的な暗号化概念(XOR、Base64、ROT13など)を学べる
- 実用的なセキュリティ意識の向上
- 友人とのメッセージ交換に使える
4.2 候補B: ファイル監視エージェント(番犬ツール)
コンセプト: ディレクトリを監視し、変更を検知して自動処理
- Observer: ファイル変更の検知
- Decorator: ファイル内容のフィルタリング/変換/圧縮
- Command: バックアップ/通知/カスタムスクリプト実行
USP:
- 「自動監視ツールを作った」と自慢できる
- DevOps的な自動化思考を学べる
- 実務で使える可能性
4.3 候補C: ミニ・トレーディングボット(株価監視シミュレータ)
コンセプト: 仮想株価の変動を監視し、条件に応じて自動売買
- Observer: 株価変動の監視
- Decorator: 移動平均/ボリンジャーバンド計算
- Command: 買い/売り/注文キャンセル/履歴
USP:
- 「トレーディングボットを作った」と自慢できる
- 金融・アルゴリズムトレードへの入門
- シミュレーションなので安全
5. 推奨テーマ
5.1 推奨: 候補A「秘密通信ツール(暗号メッセンジャー)」
理由:
- ハッキング的な魅力: 暗号化・復号化はプログラマーの憧れ
- 3パターンの役割が明確:
- Observer: メッセージ受信の監視
- Decorator: 暗号化レイヤーの積み重ね
- Command: 送信/受信/削除の操作履歴
- 段階的な学習が可能: 平文→XOR暗号→Base64→複合暗号と段階的に複雑化
- 実用性: 友人とのメッセージ交換に使える(教育目的)
- 差別化: 暗号通信は既存シリーズにない題材
5.2 シリーズ名案
- 「PerlとMooで秘密のメッセンジャーを作ろう」
- 「暗号通信ツールを作ってみよう」
- 「スパイ通信ツール構築入門」
6. 技術的考慮事項
6.1 Perlでの暗号化実装
簡易暗号(教育目的):
- XOR暗号: 鍵との排他的論理和
- ROT13: シーザー暗号の一種
- Base64: エンコーディング(暗号ではないが理解に有用)
注意: 本格的な暗号化には Crypt::* モジュールが必要だが、教育目的では簡易実装で十分
6.2 メッセージングの実装
- ファイルベースのメッセージキュー(シンプル)
- 共有ディレクトリでのファイル交換
- JSON形式でのメッセージ構造化
6.3 依存モジュール
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7. 参考情報
7.1 関連調査ドキュメント
content/warehouse/observer-pattern.mdcontent/warehouse/decorator-pattern.mdcontent/warehouse/command-pattern.mdcontent/warehouse/design-pattern-combination-research.md
7.2 出典
- GoF『Design Patterns: Elements of Reusable Object-Oriented Software』
- Refactoring Guru: https://refactoring.guru/design-patterns
- Wikipedia: Observer/Decorator/Command patterns
信頼度: 9/10(GoF原典および複数の信頼できる技術サイト)